❤日帰り旅行『奥琵琶湖の旅』
2023.05.08
施設ブログ
今回の日帰り旅行は、あの司馬遼太郎がこよなく愛した近江、『奥琵琶湖の旅』
あの43巻からなる紀行文、司馬遼太郎の「街道をゆく」の出発点となった湖西。
司馬遼太郎は、第1巻の冒頭に、「近江の国は今なお、雨の日は雨のふるさとであり、粉雪降る日は川や湖までが粉雪のふるさとであるよう、においを残している」と記しています。(この言葉をパストラール尼崎、4月の記事でご紹介しています。)
「今回はえらい“渋い”ところをチョイスしたな~笑」(旅行通の男性)
「こういう所、なかなか行けないわよね~」(女性陣)
確かに地味め、且つ、通好みの今回の企画ですが(汗)思った以上の高評価にホッ!
多くのキャンセル待ちまで出ました。
澄んだ空気、美しい湖水、静寂の中に浮かぶ「竹生島」etc・・・を是非、皆様に快晴の中で観て頂きたい!
・・・・・
という願いもむなしく、当日朝は、無情の『雨』
それでも明るい皆様を乗せたバスは、定刻通りに出発!
まず、立ち寄ったのは、琵琶湖大橋のたもとにある『琵琶湖大橋米プラザ』
ここは、長時間のバス旅になる為、休憩と買物を兼ねて全員バスを降車。
ネーミングどおり、近江米の様々なブランド米や、地元の採れたて野菜などを販売しています。
この「たけのこ」の周りで、女性陣が楽しそうにワイワイ。笑
旬ですものね~。
お買物のあとは、有名な「白髯神社」
“近江の厳島”と呼ばれる白髯神社は、湖面にひっそりと佇む姿が人気の観光スポットです。
厳島神社と違って、鳥居の後ろには美しい大自然が広がっているのですが、今日は、雨に煙る「白髯神社」(泣)
ただ、人気スポット白髯神社も、今日は貸切状態です。笑
芭蕉や与謝野鉄幹なども立ち寄っている近江最古の神社ですが、句碑を見つけバスの中で解説して下さるご入居者様。さすがです。
バスは、どんどんと琵琶湖の奥へと進みます。
この頃から、雨があがり・・・笑
重要文化的景観に指定されている「マキノサニ―ビーチ」に隣接した湖畔の宿、奥琵琶湖マキノグランドパークホテルへ。
ここは昼食場所でもあるのですが、ここからの奥琵琶湖のロケーションが、息を呑むほど美しいのです。
岬の右横に見える小さな島が「竹生島」です。
個室を貸し切り、いよいよお食事の時間です。
静かな湖畔の宿。
何一つ遮るものがない、奥琵琶湖の自然に囲まれたガラス張りの部屋は贅沢そのもの・・・
お食事のあとは、琵琶湖畔の浜辺での散策&写真撮影です。
ここも、誰もいません・・・
この辺りは、作家の遠藤周作が足げく通った店、「湖里庵」もあります。
他の文人にも愛された湖西、湖北。
確かに静けさと神秘の地に身を置く事で、創作意欲に大いなる影響を与えたかもしれませんね。
そして、次の目的地は、「メタセコイア並木」
メディアやCMにもよく登場している地です。
いよいよバスが、全長2.4キロメートルの並木の中を走り抜けます。まさしく圧巻の緑のトンネルです!
借景の山々も美しく、人も車も殆どいません。
「ワ~!綺麗~!」と歓声があがります。
まるで木々の中に吸い込まれていくような感覚です・・・・
バスは、スピードを落とし一往復半、幻想的な「メタセコイア並木」を堪能!
その後は、ピックランドでお買物&写真撮影。
写真撮影は、「メタセコイア並木」のトンネル中央で。
車が殆ど通らなかった事と、交通係の施設長を配置しつつ決行!(よい子は、決してマネをしないで下さい。汗)
「早く並んで下さい!車が来ます~!」という悲壮なスタッフの声が山間に響くも、あっちこっち彷徨う皆様・・・自由人です。
「カルガモを追ってるみたいよね~。」と爆笑するK様。←(なので全員の写真は撮れていません。泣)
さて、「メタセコイア並木」の後は、最終目的地、鯖街道「熊川宿」
熊川宿は若狭と京都との交易の拠点として発展した宿場町ですが、人家も殆どない山間の道を車で走らせる事30分。そこに突如出現するのが「熊川宿」です。
まるでタイムスリップしたような・・・
ここは、ただの観光資源用のセットではなく、実際に何十件もの人々が生活しています。
ほぼ、人に出逢う事なく散策する皆様・・・。
「熊川宿」の歴史を辿ると、織田信長や徳川家康がここで宿泊していたり、伊藤忠商事の2代目社長の生家や、料亭「菊の井」の主人、村田氏の祖父の実家があったりと、歴史的に由緒ある地であったことが伺えます。
鯖街道の宿場町、「熊川宿」の当時の喧騒を想像しながら歩きます・・・
この後、道の駅で鯖寿司や羽二重餅などを購入され、元気いっぱいの皆様です。汗
さて、帰りのバス。
車窓から美しい青空が見え、くっきりと湖面に浮かぶ「竹生島」や「白髯神社」が見えるではありませんか。・・・
「皆様、今、きれいに〇〇が見えます!」と備え付けのマイクでお伝えするも、殆ど反応がありません。汗
あらら・・・皆様、さすがに夢の中???・・・笑
開発著しい琵琶湖の東側と違い、日本の原風景がいたる所に残る湖西、奥琵琶湖の旅。
次の日・・・
ご参加頂いたK様に、「晴れていればもっと良かったのですが・・・・」とお声かけすると、優しい笑みを浮かべ、「いいえ、司馬遼太郎の言葉どおりの素晴らしい場所でした。いい所に連れて行ってくれました」というお礼の言葉を頂きました。
「近江の国は今なお、雨の日は雨のふるさとであり、粉雪降る日は川や湖までが粉雪のふるさとであるよう、においを残している」
K様の言葉にハッとさせられ、いま一度、司馬遼太郎の言葉と今回の旅行の情景を重ねつつ、ブログを締めくくりたいと思います。