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シニア大学 館内『正倉院展』

2019.12.02

施設ブログ

毎月、たくさんの熱心なご入居者が受講する、パストラール尼崎の「パストラールシニア大学」

今回は、通常のシニア大学とは別に、「秋の特別講演」として、館内『正倉院展』を開催しました。

壮大なタイトルですが、実は講師に、“奈良国立博物館”の学芸部長である内藤栄先生を迎え、「正倉院宝物」について、ご講演頂くという、歴史好きにはたまらない豪華企画となりました。

内藤先生は、各大学への講演をはじめ、「NHKスペシャル」「日曜美術館」久米宏氏との対談など多くのメディアにもご出演されている凄い方です。

そもそも高齢になると、なかなか出向く事が難しくなる『正倉院展』を、少しでも館内で味わうことが出来ないだろうか?という思いから実現した今回の企画、講師依頼の為に、正倉院を管轄する“宮内庁”から、『正倉院展』を開催する“奈良国立博物館”へと、決死の??電話交渉は続きました。・・・・・・・いくらなんでも人生の中で、宮内庁へ直接交渉するなんて・・・(泣)

しかしながら、『正倉院展』直前の超、繁忙時期に、(それも今年は、東京と奈良の同時開催・・・)無謀ともいえるこちらの依頼に対し、宮内庁はじめ奈良国立博物館の方々の応対は、どこまでも優しく品格にあふれ、こちらの要望を真摯に聴いて下さいました。(例えて言えば、雲上人のような・・・笑)

ちなみに、こちらが今年の奈良国立博物館と東京国立博物館の『正倉院展』のポスターです。

 

そして、「私が行きましょう!」と、ご快諾下さったのが、たまたまお電話に出て下さった内藤栄先生でした。・・(・まさかその時、そんな有名な方とは知らず・・・泣)

最大の敬意を込めたポスターを用意し、その日を待ちます。

そして当日・・・

正倉院の宝物について研究し尽くしておられる、奈良国立博物館の学芸部長、内藤 栄先生の講演が、始まりました。

 

有名すぎる「瑠璃杯」や「螺鈿紫檀五弦琵琶」「鳥毛立女屏風」「蘭奢待」などの詳しい解説が画像とともに、続きます。

  

中には、クスッと笑ってしまうエピソードも・・・

 

敷居の高かった『正倉院』の宝物が、内藤先生によって命が吹きこまれ、何だか一点一点、生き生きと輝きを放ってくるのを感じます。

熱心に講演を聴く受講生の皆様です。

 

今年度の71回奈良の『正倉院展』で展示された「衲御礼履」・・・聖武天皇が実際に履かれた靴ですが、その大きすぎるサイズや、靴底や、中敷きの減り具合など、事細かいエピソードなども紹介・・・(聖武天皇も、ただの人だったんだな~笑)

他にもたくさんのリアリティのある貴重なお話が続きました・・・・・・さすが、何十年も正倉院に関わって来られた先生です。先生の頭の中には正倉院に9000件あると言われる宝物の数々の膨大な情報が詰まっているに違いありません。

「正倉院宝物は、外国のように地下から掘り出されたものではなく、地上で保存されてきたものなのです。なので瑠璃杯の色も鮮やかに残っているし、琵琶のような楽器も弾けるのです。」というお話をはじめ「、宝物がしっかり保存されてきたのは、当時の人々がキチンと定期的に虫干しをし、大切にしてきたからなのです。」などをお話下さいました。その上で寺社仏閣に残っている文化財などが、現代、人不足で危機にあるというお話も・・・

1時間半、本当に興味深いお話ばかりでした。実際に「正倉院展」を観にいくより楽しかったのは、私だけでしょうか?汗

内藤先生、本当に遠いところを、またご多忙の中、ありがとうございました。「正倉院展」は10年、同じ宝物を展示しないと仰ってましたね。なので、あと9年、講師をどうぞよろしくお願いします。笑

 

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