第2回『パストラールシニア大学』✿尼崎✿
2019.08.02
施設ブログ
今日は、第2回「パストラールシニア大学」の日
日銀、JICA、大阪地検など多彩な講師陣を迎え、毎月超満員になるパストラール尼崎のシニア大学。今回は、とうとう日本の行政の中枢“霞が関”から講師を迎えるという、パストラールシニア大学始まって以来のスケールの大きいプログラムとなりました。
テーマは、『教えて!外務省』
副題は、「日本のODAについて」・・・超アカデミックなテーマです!
今回のテーマは、社会問題に関心をもち、グローバルな視野を持つ方でなければ、なかなかハードルの高いテーマであったにも関わらず、53名もの方のお申込みがありました。
講師は、外務省国際協力局 国別開発協力第一課の塚崎大輔氏
ODAの事・・・オダではありませんよ~。汗
開発協力のことです!!でも・・・・
日本の借金=1071兆円・・・汗汗汗
国民一人当たりの借金850万円・・・大汗汗
ODAについて、「そんな借金大国の日本が何故、発展途上国に援助をしないといけないの?」恐ろしい借金額がメディアを賑わしている中、一般人の思いは正直、こんなものではないでしょうか?
講演に先立ち、外務省から“予習用”の冊子がドッサリ送られてきました。汗
お申し込み時にお一人おひとりに三冊の冊子が手渡されます。「え?予習しなあかんの~?」と皆様、苦笑い。
でも中には、しっかり読み込んで当日に臨まれる方も大勢いて・・・さすがです!
そして当日も、膨大な資料が用意されました。きっと外務省には、この○○○倍ものデーターが保存され、分析され国の方針を決定しているのだと思うと、背筋が伸びる思いがします。
さて、外務省の職員 講師の塚崎氏の講義が始まりました。とても柔和で真面目なお人柄が伝わってきます。
今や先進国に名を連ねる日本、その日本が新幹線、名神高速、黒部ダムなど敗戦後の日本の発展に大きく寄与したインフラ事業が、ODAによりなし得た事。先進国と思われていた日本が結構最近まで、借金を返していた事などに驚き、援助してくれた世界への感謝とともに、ODAが、世界の平和と安定、繁栄のために必要な事を学びました。
また、ODAによって世界の中で、日本の信頼と存在感を高めることは、結局のところ、国益とも結びつくという事も学びました。貿易摩擦など、世界が殺伐としている昨今、こういったODAによる国家間の信頼関係や、多くの親日国を増やす事の重要性をあらためて感じます。
資料を見ながら、熱心に聴く皆様。
開発協力の3つのカタチや、実際に現地で活動するJICAの職員のことなども学びました。頭が下がります。
さて、関西の地方都市である尼崎市から、壮大な世界を垣間見た貴重な1時間でした。ついつい目先の事ばかりに捉われ、心まで狭い人間になってしまっていた自分が恥ずかしく、もっと広い視野で物事を見なければと反省。あらためて世界で生きている事を実感した時間でした。
講演後の講師の塚崎氏、「こういう高齢者施設で講演をするのは初めてでしたが、皆さん熱心で、質問も鋭いところを突かれますね~。凄いですね~!」と感心して下さいました。・・・よかった!霞が関からわざわざ来て下さったので、そんな有り難い感想に、こちらも嬉しくなりました。
*参加された方々の感想です。〈抜粋〉
・借金大国なのになぜ?の考え方はずっと持っていたが、講義により「与えられたものは感謝を込めて返す」「貧しい人に与える」気持ちになった。
・老人になった現在、外務省は遠い存在だったが、ODAの出前講座を受けて、隠居していてはいけない。少しでも恩返しをしなければと考えるようになった。
・戦後の日本が、世界中の援助で復興したことを国際社会に還元することが大切だと思った。
・今回の講演を聴きよく理解できた。日本もよくやっていると思った。
・より具体的にはっきりと知る得ることが出来てよかった。今後、報道等で見聞きした際、より興味を持って理解しようという気持ちを持った。
・幅広く、全体的に物事を捉えていかなくてはと思えた。