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第3回『パストラールシニア大学』

2023.08.26

施設ブログ

6月から、ご入居者からの熱い要望を受け、満を持して再開した『パストラールシニア大学』

再開後、コロナ前を上回る参加希望者であふれ、毎回2部制の開催となっています。

その受講態度も、メモを熱心にとる方など現役の学生以上です。

今月、第3回目となるシニア大学の講師は、NHKの人気番組「プロフェッショナル~仕事の流儀~」で何十日も密着取材を受け、出演された遺品整理士のパイオニア的存在の「横尾将臣氏」です。

講義のテーマは、「遺品整理士から見た、モノが語る生きた道」

社会問題として、孤独死やゴミ屋敷などが最近、よくメディアにも取り上げられていますが、まさに最前線で活動されている横尾氏の“生の声”を聞く事ができました。

プロジェクターに映し出される膨大な遺品の数々や、うず高く積まれたゴミだらけの部屋。

その窪みに埋もれるように寝ていた高齢者の部屋。(ゴミの殆どは、オムツ・・・)

思わず目を背けたくなるような現実が映し出されます。

一見、自分たちには無縁で、特別な世界と思っていたその光景は、決して特別なものではないという現実を横尾氏から突き付けられます。汗

近くに娘さんが住んでいたのに・・・(疎遠になっていたのか?)

指定ゴミ袋を沢山購入していた高齢者・・・(本人は片づけようとしていたんだ。泣)

横尾氏は言います。

高齢者には、早朝のゴミだしや、厳格なゴミの分別などが過酷である。介護度がすすんでもそのルールは健常者と同じであるという言葉は、胸に刺さります。

誰にでもゴミ屋敷の住人になる!という現実。

遺品整理士の横尾氏が、独居老人が増加している日本の現状にふれ、以下のような事を述べています。

孤独死はなくならない。人は死に場所を選べないから。減らすのは孤立である。

ピンピンコロリは幸せ。住み慣れた家で亡くなった事に「良かったね」と言ってあげて欲しい!

3日以内(72時間)で発見されたら「良かった」と思ってほしい!・・・(きちんとお顔を見てお別れが出来るという事)

人生を終える時、周りの方々に見守られ、畳の上で逝くという理想の姿は、もう通用しないのかもしれませんね。

孤独死=不幸 という概念は変わっていくのかもしれません。

この他、1億超の現金が家のいたる所から出てきたというエピソードや、デジタル遺品の問題。また生前整理や、業者選定の話など、実体験を踏まえた経験談は、非常に興味深いものでした。

過酷な現場といつも対峙している横尾氏は、以前はラグビー選手であったり、プロのサックス奏者であったりと非常に明るく多彩で、パワフルな方ですが、遺品整理の仕事に誇りをもつとともに、何よりも社会貢献に対する意識の高さが印象的な、まさにその道の“プロフェッショナル”そのものでした。

追記

講義のあと無理にお願いし、「是非、サックスで一曲を!」とお願いしたところ、「いいですよ!」と快諾下さった横尾氏。

プロのさすがの演奏は、とても嬉しいサプライズとなりました。❤❤❤

 

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