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第3回『パストラールシニア大学』

2024.08.29

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先日、第3回『パストラールシニア大学』が開催されました。

今回の講師は、先日20歳になったばかりの関西学院大学2年生の大森渚生(しょう)さんです。

2015年のシニア大学開講以来、最年少の講師となります。

テーマは、「自分には伝える使命がある」

LGBTの当事者である大森さんのお話です。

今でこそ、メディアにも取り上げられ、少しずつ理解されつつあるLGBTですが、これまでは、その真実が表に出る事は殆どなく、一部の特殊な人の嗜好のような捉え方が一般的であった中で、今回のテーマをご入居者がどのように捉えるだろうと、悩みつつこの日を迎えました。

しかし、一つひとつ飾りのない真直ぐな大森さんの言葉は、すぐにご入居者の心に届いたようでした。

兄と弟二人に挟まれた待望の女の子として生を受けた大森さん。

ご両親の愛情を一身に受け、女の子としてすくすく育っていた大森さんですが、中学に上がる頃からご自身の性に違和感を覚えます。

中学時代の大森さんご自身の葛藤や、それまで女の子として育ててきたご家族の葛藤

特に、女性のご入居者が大森さんのお母様に感情移入しているさまが横から見ていてよくわかりました。

その葛藤の中にあって、素晴らしい仲間や先生方の存在・・・

そのエピソードに胸を熱くします。

意を決して告白した時に、ごく普通にサラリと受け入れてくれた友達。長かった髪の毛を短髪にしたその姿を「ええやん!」と絶賛してくれた同級生。高校受験を迎え、大阪の殆どの高校がLGBTの学生の受け入れに後ろ向きだった中、東奔西走し探してくれた先生の話など・・・

一方、娘の変化に対して受け入れる事の出来ない当時のお母様の生々しい言葉や、もがきながらも親として何が一番大切なのかを気付いていくそのプロセスは、誰もが心を揺さぶられるような内容でした。

その後、LGBTに理解を示してくれた関西学院高校に入学した大森さんは、(以前の)自分の様な辛い思いをしている方の少しでも役に立てればと、精力的に講演をはじめ様々な活動を始めます。(株式会社まで立ち上げたそうです)その前向きなバイタリティは、年齢や性別などを超えた一人の若者の尊敬すべき生き方そのものでした。

【後記】

大森さんのご家族を、あの有名な長寿番組「探偵ナイトスクープ」の出演で目にした事があります。内容は、“お母さんの寝言が凄い!”(笑)でしたが、これを番組に投稿し、またそれを取材させた大森さん一家の仲の良さと底抜けに明るいご家族の様子は、大反響を呼びます。今の大森さんのパワーの源がこのご家族であった事は紛れもない事実でしょう。(F)

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