第7回『パストラールシニア大学』
2024.01.09
施設ブログ
新しい年は、元旦から辛い幕開けとなりましたが、奇しくもこの震災の10日前、12月の第7回『パストラールシニア大学』の講義は、『地盤を知る!~尼崎周辺の地盤~』をテーマに、関西地盤工学会のメンバーである、大阪公立大学、都市科学・防災研究センターの教授、大島昭彦先生の講義を受講したばかりでした。
その時は、ご入居者の殆どが、阪神淡路大震災の経験者であり、皆、熱心に耳を傾けておられたのですが、まさかその10日後に、能登半島が、未曽有の災害に見舞われるとは、誰も想像できませんでした。
今も懸命に救出活動が行われていますが、あらためて1億数千万人もの人が住む、日本という国の地盤をしっかり学び、いかに防災、減災できるかを、個人個人でしっかり考えなくてはいけないと身に染みて感じます。
大島教授の講義は、特に液状化の危険度や対策について詳しくお話頂いたのですが、東日本大震災の際の千葉県浦安市の液状化の動画は、蟻地獄に吸い込まれていくような恐怖を覚えました。
近い将来、来ると言われている東南海地震の予想でも西大阪から神戸地域にかけて激しい液状化が起きる可能性があると言われています。
自然の驚異に、ただ指をくわえている事しかできないのかと思いきや、実は、液状化対策に取り組んだ地域が尼崎の「築地」にある事を今回の講義で知りました。
尼崎市築地は、阪神沿線より南の海に近い地域で、阪神淡路大震災の際は、全壊、半壊、不等沈下による傾斜は家屋全体の80%におよんだそうです。そこで実施したのが、①土地の嵩上げ。②地下水位低下工法(日本初) の実施でした。
この対策で、その後の尼崎市の「築地」は、“震災に強い町”となり、のちに関東地方の液状化対策のモデルとなっているそうです。
自然災害を完全に防ぐ事は出来ません。また国任せ、他人任せも限度があります。
自分で出来る事をいま一度、考えるべき時が来ています!