フィンランド伝統『ヒンメリ』展
2021.07.21
施設ブログ
パストラール加古川では、コロナ禍イベントも出来ない日々が続き、
昨年5月から様々な作品をロビーにて展示し入居者様に楽しんで頂いています。
入居者様の写真展、絵画展、手芸展 そしてプロの方の写真展や鉄筋彫刻、絵手紙の展示も見ごたえがありました。
今回は8/10~8/20まで「ヒンメリ」の制作をされている深井早智さまにお越しいただき
ヒンメリの作品を展示していただきました。
みなさま『ヒンメリ』って何かご存知でしょうか?
ヒンメリとは麦わらで作った多面的な飾りを糸で繋げたモビールのことで、フィンランドの伝統装飾です。1本の糸で12本のわらを一筆書きするかのように並べて繋ぎ、全てを繋ぎ終えて残っている2本の糸同士を結ぶと、一瞬にして三次元(正八面体)になります。
これをたくさん繋げてモビールにします。
ヒンメリは北欧では幸せを願うお守りとして親しまれ、装飾品やインテリアとして飾られているそうです。
深井さまは、大学の北欧インテリアの講義の中でヒンメリを知り、模様の美しさに一目ぼれして、本を読んで独学で制作されています。
材料となる小麦は学生時代に神戸市北区で『古民家』再生の活動の中で茅葺職人さんからスペルト小麦を教えていただき、毎年雑穀後に頂いて制作されるようです。
スペルト小麦は品種改良がされていないので、軸までしっかりしていてヒンメリの材料にぴったりだそうです。
作品を作るときは設計図は作らず、頭の中のイメージをもとに基本となる三角形を組み合わせて作られるそうです。
入居者さまの中にはヒンメリを初めて見る方も多く、
「これは竹ひご?」
「これはどうやって組み合わせるの?」
など、展示されている深井さまに質問されていました。
パストラールの玄関ドアが開くと、静かに回転するヒンメリ。
人の動きでもかすかに揺れ、空気の流れを感じることができます。
「涼しげでいいわね~」
「私も作ってみようかしら♡」
と楽しそうにご覧になっていました。
また夕方明かりが灯ると壁に影となった幾何学模様が写り出されてとても幻想的です。
クリスマスシーズンには赤い糸を使ってヒンメリをオーナメントにすると素敵だと教えていただきました。
モミの木に自然素材のむぎのオーナメント…似合いそうですね(^O^)
さて、以前のロビー展示の話になりますが、
昨年9月にロビーに展示してくださった大竹英洋さまの写真展をみなさま覚えていらっしゃいますでしょうか?
なんと! なんと!
大竹英洋「ノースウッズ—生命を与える大地—」が
第40回(2021年) 土門拳賞を受賞されました。
土門拳賞は、日本の写真にひとつの流れを確立した巨匠・土門拳の業績をたたえ、
1981年に毎日新聞創刊110年記念事業としてスタートした、国内でも有数の権威ある写真賞です。
入居者様からもたくさんの祝福のお言葉を頂き、祝福を兼ねて早速大竹さまに連絡をさせて頂いたところ、パストラールでの凱旋公演会に来ていただけることに!!!
今度は写真に加えノースウッズのお話が楽しみですね(^O^)
その頃にはコロナが終息していることを願うばかりです。